移住者のはなし interview 移住者のはなし

3,大石洋さん

開放的で可能性が広がる場所、それが長洲町

20年暮らした東京を離れ、家業を継ぐため長洲町に帰省した大石さんにとって、長洲町は「可能性が広がる場所」だそう。幼馴染で親友の磯野さんと一緒にお話を伺いました。

おはなしを
うかがったひと

大石洋さん

長洲町出身。
高校卒業まで長洲町で育つ。大学進学で上京し、東京で就職。15年間の勤務ののち、家業を継ぐため2014年に長洲町に帰る。現在、大石電気管理事務所の電気主任技術者として保安と産業を支えている。

こちらに帰って来たきっかけを教えてください。

大石2011年の東日本大震災の原発事故がきっかけとなりました。

もともと電気関係の家業を継ぐ意識はしており、大学では電気の勉強もしていましたが、東京では電気と離れた仕事をしていました。東京での生活もあり、なかなか長洲町に帰る決断ができずにいました。そんななか、東日本大震災、そして原発事故が起こったのです。日本中の原発が止まり、電力事情が大きく変化していく様子を見て、私は、かつて電気の道を志した者として、日本の電気に関わる使命があると感じ、電気について勉強し直し、資格を取得して2014年に長洲町へ帰ってきました。

東京から長洲町へ帰ってくる手段には自転車を選びました。

戻ってくるときに不安はありませんでしたか?

大石不安はありました。長洲町での仕事や生活もそうですが、20年住み慣れた東京を離れることはとても抵抗がありました。そこで、会社を退職してから、東京の浅草で人力車を引く仕事をし、東京から長洲町へ帰ってくる移動手段には、自転車を選びました。

人力車と自転車ですか。それはどうしてでしょう?

大石人力車の仕事は、住み慣れた浅草で悔いが残らない経験をするため、そして、新たな人生に弾みをつけるために取り組みました。結果、印象的な経験ができただけでなく、外国人への英語での案内や営業成績などの目的も達成でき、悔いなく東京を離れる決意ができました。

自転車での帰郷を選択した理由は、時間をかけ、距離を踏みしめて帰ることで自分の気持ちをしっかり切り替えるため、そして、長洲町での生活に苦労しても「せっかく苦労して帰ってきたのだから、もっと頑張ろう」と思えるようにするためです。


そうだったのですね。自転車での効果はありましたか?

大石そうですね。仕事も生活も不慣れで、苦労はいろいろありました。そんな時に自転車での苦労を思うと、もうちょっと頑張ろうと思い、乗り越えられたことは何度もありました。それに、知人が少ないことも苦労しましたが「初めまして」の挨拶をするときに、自転車で帰って来たエピソードを話すと覚えてもらいやすかった気もします。

人と繋がりやすいので可能性も広がりやすいです。それは、仕事のチャンスも広がりやすいと思います。

では、帰ってきて、スッとこちらのコミュニティに馴染むことができましたか?

大石自転車はもとより、開放的な港町気質のみなさんのおかげで、とても親切に受け入れてもらえています。今では、消防団員として活動したり、祭りの実行委員会としても参加しています。コミュニティへの参加は、小学校からの友人が「一緒にやらんね?」と誘ってくれたことがありがたかったですね(笑)

今の社会生活ですごく助かっているのは、友人たちや商工会の仲間をはじめ、親切な方々が多くてサポートしてくれることですね。

実際にこちらで仕事を始めてみて、どうでしたか?

大石会いたい人に会いやすいなと感じました。都市部と比べて人口が少ないためだと思いますが、知り合いを一人、二人介したり、イベントごとに顔を出したりすると、会いたいと思っていた人に会える印象があります。

土地の気質が開放的なのか、人と繋がりやすいので可能性も広がりやすいです。それは、仕事のチャンスも広がりやすいと思います。

大石さん自身、こちらに来て可能性が広がりましたか?

大石私にとっては「タグラグビー」がそうです。

昨今、ラグビー人気が高まっていますが、私の恩師が長洲町の教育長をされていて、懇談の中でラグビーの話になり、それが膨らんで今では町の小学生にタグラグビーの指導をさせてもらっています。ラグビーは、人生に大切なことを教えてくれます。経験することで、子どもたちの可能性が広がると思っています。

やりたいことやできることがあれば、活動できる機会は何かしらありますね。

生活の面で便利な点、不便な点はありますか?

大石意外な事だったのですが、移動が速くて楽ですね。東京だと、徒歩と電車での移動、または、車でも渋滞が多いので、30分から1時間単位の時間がかかりますよね。こちらでの日常生活は車で30分以内がほとんどです。渋滞もほとんどありませんし、ちょっと足を延ばせば熊本市や佐賀市へも1時間くらいで行けます。また、福岡市も1時間半くらいで行けます。慣れると遠くは感じませんよ。

食生活は、野菜、魚、肉の産地が近いため、新鮮でおいしく、価格も嬉しいものがあります。あと、ネットで買い物ができるのは大きいですね。今やインターネットのおかげで都市と地方の情報格差も買い物格差もほとんどなくなっていると思います。もちろん、リアル店舗は都会ほど多くないので、そこさえ慣れれば長洲町は住みやすい町だと思います。

休みの日には周辺の温泉を楽しまれているとか。

大石近隣には温泉地が点在していて、泉質もそれぞれで楽しめます。ドライブがてら心身ともにリフレッシュできますね。東京ではなかった楽しみ方です。

あとは、近場のゴルフ場が多いです。30分圏内に6コースほどあります。東京では、移動だけで朝から2時間近くかけて、帰りは渋滞でもっとかかったりして、ゴルフは時間的にもハードでした。その点、こちらでは、本当に気楽に行けますね。

最後に、長洲町に戻ってきて良かったと感じる瞬間があれば教えてください。

大石夕日を眺めながら帰ってくる時ですね。

長洲町は、有明海を臨む港町で、とてもきれいな夕日を眺めることができます。特に造船所の巨大なクレーンと夕日が重なる様子は、長洲町ならではの眺めです。

東京にいる時は、空を意識的に見ることはほとんどありませんでしたが、長洲町では、青空や夕日、星空が目に飛び込んできます。夕日を見ながら帰って来ると、あまりの大きさに家の前を通り過ぎて港まで見に行ってしまうことがあるくらいです。海の向こうに沈む夕日を見ると、自然の大きさとともに、明日も頑張ろうという活力になります。

ありがとうございました。